妊娠中にカフェインを摂りすぎてはいけないという情報と共に、おすすめのノンカフェイン飲料について紹介している記事をみかけますが、そのほとんどが情報を収集してまとめた実体験のない記事ばかりです。
実体験の伴わない製品の紹介は、飲み物の成分や危険性について詳しく紹介できても、重要な要素である味や香りに関する感想が書かれていないものが多いので、正直あまり参考になるとは言えません。
味や香りの感じ方は、年齢な好みなどでそれぞれで評価がことなるものですが、嗜好品となる飲み物の味や香りに関して何も情報がないのは、正しい情報とは言えません。
そこで今回は、妊娠中に飲める有名なノンカフェイン飲料のなかから、特に評判の良いものを実際に飲んでみて本当におすすめする価値のあるものなのか検証してみることにしました。
代表的な飲み物に含まれるカフェインの量
検証した製品の紹介をする前に、まずはコーヒーや紅茶などの嗜好品とも言える代表的な飲み物に含まれる、カフェインやタンニンなどの成分量について簡単に紹介します。
こちらは、文部科学省が発表した抹茶、煎茶、番茶、ほうじ茶、玄米茶などの、日本を代表とする嗜好飲料類に含まれるカフェインやタンニンが含まれている量となります。
種類 | カフェインg/100g | タンニンg/100g | 備考 |
玉露茶葉 | 3.5 | 10.0 | |
玉露浸出液 | 0.16 | 0.23 | 浸出法:茶葉10g/60℃ 60ml 2.5分 |
抹茶 | 3.2 | 10.0 | 粉末製品 |
煎茶葉 | 2.3 | 13.0 | |
煎茶浸出液 | 0.02 | 0.07 | 浸出法:茶葉10g/90℃ 430ml 1分 |
釜炒り茶浸出液 | 0.01 | 0.05 | 浸出法:茶葉10g/90℃ 430ml 1分 |
番茶浸出液 | 0.01 | 0.03 | 浸出法:茶葉15g/90℃ 650mml 0.5分 |
ほうじ茶浸出液 | 0.02 | 0.04 | 浸出法:茶葉15g/90℃ 650mml 0.5分 |
玄米茶浸出液 | 0.01 | 0.01 | 浸出法:茶葉15g/90℃ 650mml 0.5分 |
上の表をみるとわかるように、急須などによる浸出液にするとカフェインやタンニンの量は大幅に減りますが、それでも玉露や抹茶は含有量が高いので、少量でも妊娠中は避けた方が良いでしょう。
妊娠中は、カフェインの摂取量に気を付けるだけでなく、妊婦さんの貧血防止のために鉄分の吸収を阻害する働きのある、タンニンの摂取量にも十分気を付けてください。
次は、ウーロン茶、紅茶、コーヒーなど、日ごろのストレス解消や息抜きに好んで飲まれる外国茶のカフェインやタンニンの含有量ですが、紅茶やコーヒーがかなり多く含まれているのが分かります。
種類 | カフェインg/100g | タンニンg/100g | 備考 |
ウーロン茶浸出液 | 0.02 | 0.03 | 浸出法:茶葉15g/90℃ 650ml 0.5分 |
紅茶茶葉 | 2.9 | 11.0 | |
紅茶浸出液 | 0.03 | 0.10 | 浸出法:茶葉5g/熱湯360ml 1.5分~4分 |
コーヒー浸出液 | 0.06 | 0.25 | 浸出法:コーヒー粉末10g/熱湯150ml |
インスタントコーヒー | 4.0 | 12.0 | 顆粒製品 |
日本茶と同じく外国茶も浸出液にして飲むと、かなりカフェインやタンニンの量を減らすことができますが、飲む量を1日1杯に制限するか、ノンカフェインにした方が良いでしょう。
続いては、普段の見慣れているお茶とは違う、ココア、青汁、スポーツドリンクなど、カフェインやタンニンが含まれいるイメージのない嗜好品飲料のデータを紹介します。
種類 | カフェインg/100g | タンニンg/100g | 備考 |
ピュアココア | 0.2 | – | 別名:純ココア粉末製品 |
ミルクココア | Tr | – | 別名:調整ココア(粉末製品) |
青汁ケール | – | – | |
昆布茶 | – | – | 粉末製品 |
スポーツドリンク | – | – | |
果実色飲料(炭酸飲料類) | – | – | 試料:無果汁の物 |
麦茶 | – | – | 浸出法:麦茶50g/湯1500ml沸騰後5分 |
甘酒 | – | – |
ピュアココアとは、甘みがないココア100%の粉末のことで、ケーキのコーティングに使われることがあるものですが、ミルクココアよりもカフェインの含有量が高くなります。
ミルクココアは、ピュアココアに砂糖や香料などを配合した甘味の強いもので、カフェインを気にせずに飲むことができますが、糖分の摂りすぎになるので飲みすぎには注意してください。
妊娠すると無性にアイスクリームが食べたくなりますが、糖分を摂りすぎると妊娠糖尿病になり、お腹の赤ちゃんに影響を与える可能性があるので、飲み物には注意してください。
今回はお茶に含まれるカフェインやタンニンの量を中心に紹介しましたが、お腹の中にいる赤ちゃんに必要な葉酸の働きを阻害するカテキンも、大量摂取しないように注意してください。
カフェインとタンニンの摂りすぎに注意
妊婦さんがカフェインを摂りすぎると、流産や早産、発達障害になるという研究結果がありますが、実のところ正確な影響について解明されている訳ではありません。
ただ、大切なお腹のなかの赤ちゃんに危険が少しでもあるなら、摂取しない方が良いのではという意見が多いのは当然で、リスクになるものは徹底的に排除するべきです。
ただ、あまり神経質になりすぎるのも良くありませんので、お茶やコーヒーでも適度に楽しむくらいの余裕は必要なのですが、素人判断のまとめサイトを参考に飲む量を決めてはいけません。
我が家では、当初母体やお腹のなかの赤ちゃんに良いとされているタンポポコーヒーを飲料を飲んでいましたが、土の味がして美味しくないので妊婦健診担当医の指導の下にノンカフェイン茶を購入しました。
妊娠するとカフェインの摂取量だけを気にしますが、鉄と付着する性質のあるタンニンを多く摂取すると、鉄分の吸収が阻害されて貧血になる可能性があるので注意が必要です。
タンニンは酸化したカテキンが集合したものなので、飲み物を選ぶ時はタンニンそのものだけでなくカテキンが含まれていないか成分を確認しながら、飲む量に注意しなければなりません。
妊婦さんは貧血になりやすいことを考えると、お茶などのカテキンやタンニンが含まれる飲み物は医師に相談した上で、飲む量を制限することも必要になります。
ノンカフェインでも飲んではいけない物
ノンカフェインのお茶なら安心して妊婦さんが飲めると雑誌やネットで紹介されていますが、なかには子宮収縮作用のあるハト麦が配合されている製品もあるので注意してください。
妊婦さんにおすすめな飲み物として十六茶などが紹介されていますが、ラベルを確認すると禁忌とされているハト麦が含まれているので、ノンカフェインだからと飲むのはおすすめしません。
ハト麦も過剰摂取をしなければ問題ないようですが、日本だけでなく海外でも禁忌とされているので、麦茶を推奨する情報を鵜呑みにして飲み過ぎないように注意してください。
3種類の味を楽しめるノンカフェイン緑茶
ここからは実際に妊娠期間中に飲んだノンカフェインの飲み物を紹介しますが、まずトップバッターで紹介するのが緑茶や紅茶などのノンカフェイン製品を多く取り揃えている、ニュアージュのノンカフェイン緑茶です。
ニュアージュのノンカフェイン緑茶は、ダージリンで有名なインドのアリヤ茶園の茶葉を釜炒り製法にて発酵を止め製茶したもので、香りは緑茶そのもので少し渋さを感じるとてもスッキリした匂いがします。
この緑茶は厳密に言うとノンカフェインではありませんが、乾燥状態の茶葉に残るカフェインをドイツで100g中0.3%未満まで除去している物なので、1日1杯だけ飲むようにしています。
商品の缶底を見ると製品に関する情報を確認することができるのですが、肝心の味まではわからないのでメーカーサイトをみてみると、最初の一杯目は薄い緑茶で二杯目は渋みを感じる緑茶らしいお茶とのことです。
実際にお茶を入れて飲んでみた感想ですが、正直普段から飲み慣れている緑茶と比べると渋みやスッキリした後味の足りなさを感じますが、緑茶として十分に楽しめるレベルです。
この緑茶に含まれるカフェインの量を更に減らしながら美味しく飲むには、暑い熱湯に入れたお茶を一杯目と二杯目を均等に分けながら、丁度良い渋さにして飲むのがおすすすめです。
ノンカフェインと言えば偽物の味や香りを想像してしまいますが、ニュアージュのノンカフェイン緑茶は、少し物足りなさを感じる程度の緑茶で、そこそこ満足できました。
他にもニュアージュには、ルイボスティー、ノンカフェインジンジャーティーなど、我慢ばかりしている妊婦さんを満足させることのできるノンカフェイン飲料を多くの商品を揃えています。
残念ながらお気に入りで愛飲していたニュアージュは閉店してしまい、今はネットでも購入することができないので、残念ではありますが新しいショップを開拓することにしました。
コーヒー風味のタンポポコーヒー
タンポポコーヒーはコーヒーでなく、野生のたんぽぽの根を香ばしく焙煎してコーヒー風味に仕上げた飲み物ですが、正直コーヒーに似ているのは色だけです。
タンポポコーヒーもノンカフェインですし無添加で安全な飲み物なのでおすすめではありますが、味や香りを期待してコーヒー代わりに飲もうとすると必ず後悔してしまいます。
ただ、タンポポコーヒーを飲むと母乳が出やすくなるというメリットもあるので、自分のためというよりも赤ちゃんのために飲むものだと考えて飲むが一番です。
他にも、利尿作用が強くむくみの改善に効果があることや、胃や肝臓の機能向上にも効果的なので辛い冷え性や便秘に悩む人なら、試しに飲んでみるの良いと思います。
タンポポコーヒーの紹介サイトには、大絶賛する内容ばかり並べられていますが、正直に言うと味は土の風味がしていまいちなので、決して嗜好飲料にはならないと思います。
材料となるタンポポの根に農薬を使用しておりませんが、原産国が中国ということもあり中国検疫検査に加えて、神戸検疫所で品質をダブルで検査をしています。
30袋分のティーバッグが含まれていパッケージを開けると、香ばしいハワイのコナコーヒーの様な香りがして、一瞬美味しいのではないかと錯覚してしまいます。
タンポポコーヒーの作り方とても簡単で、600ml~800mlのお湯と一緒にをティーバッグをポットに入れて、色がでるまでしばらく待つだけなので、手軽に飲むことができます。
底の浅いティーカップにタンポポコーヒーを注いだので薄い色のコーヒーに見えますが、ティーポットにあるお湯の色はコーヒーそのものの色で、どこか期待してしまいます。
ティーカップに注いだタンポポコーヒーの香は、黒豆というかタンポポの根そのままで何とも表現しにくい香りですが、コーヒーと言われたら信じてしまうかもしれません。
肝心の味は、特別なコーヒーと言われればそう思えるかもしれませんが、土の風味が強く植物の苦さを若干感じるので、味覚がおおらか人でないとコーヒーとして飲むのは難しいと思います。
癖のあるタンポポコーヒーも漢方薬と同じで慣れれば普通に飲めますが、コーヒー好きの人を満足させられるかというと疑問なので、母乳改善のための健康飲料として飲むのが一番だと思います。
スッキリ美味しいマタニティーブレンド
次は、オーガニックハーブティー&アロマオイル専門店で有名なAMOMA(アモーマ)のマタニティブレンドを飲んだのですが、味はとても美味しく一番おすすめしたい飲み物です。
AMOMAの製品には、妊娠準備中の女性のための妊活ブレンドや、母乳不足の授乳期ママのためのミルクアップブレンドなど、妊娠中だけでなく妊娠前や出産後のケアを目的としたハーブティがあります。
今回飲んだマタニティブレンドは、多くの妊婦さんが悩む便秘を解消するために、英国ハーバリストと妊産婦ケアの専門家が開発した、ノンカフェインのオーガニックハーブティーです。
マタニティ―ブレンドは、お腹の赤ちゃんにも安心な8種のオーガニックハーブを厳選してブレンドしたもので、爽やかな酸味が口に広がる色鮮やかな飲みやすい飲み物です。
マタニティブレンドは、有機栽培認証を受けた高品質のオーガニックハーブ原料のみを使用し日本国内で製造しているので、妊娠した方も安心して飲むことができます。
パッケージの中には、ブレンドしたハーブのティーバッグが30パック分の詰められていて、パッケージを開封した瞬間にハーブの爽やかな香りが部屋中に広がります。
飲み方はとても簡単で、普段から使用しているティーポットにティーバッグを入れ、90℃以上の熱湯を注いで数分おくだけでローズヒップやハイビスカスの鮮やかな色が出てきます。
熱湯で抽出したマタニティハーブを冷やして飲むことも可能ですが、妊娠されている方は極端に冷たい飲み物は控えた方が良いので、冷ますなら常温程度してください。
マタニティブレンドに含まれているネトルは、貧血や血液を綺麗にする働きがあるだけでなく花粉症対策にも利用されるので、杉や檜の花粉に悩まされている方にもおすすめです。
他にも、利尿作用と発汗作用に優れており、むくみの解消や体内に毒素を排出するエルダーフラワー、リンパを浄化する作用のあるクリーバーズ、レモンの10倍~20倍のビタミンCがあるローズヒップも含まれています。
人の体に優しいハーブを美味しくブレンドしたマタニティブレンドは、とても飲みやすくて体全体がスッキリするので、妊娠中だけでなく妊活中や出産後の授乳でお困りの方にもおすすめです。