阪神淡路大震災や東日本大震災を機に非常食を備蓄したり、家財の転倒防止用に耐震マットなどの防災グッズを買い揃えたという方、非常食だけでなく防災グッズにも寿命があるのをご存じでしょうか。
非常食の消費期限は長くても5年というのは周知されていて、消費期限が切れる前に買い替えなければと意識する人が多いのですが、防災グッズの寿命をご存じない方が意外と多くいます。
寿命のある防災グッズと言えば消火器や電池と思いますが、テレビやタンスなどの家財の転倒を防止する耐震マットも例外ではありません。※この記事で説明する耐震マットとは、ジェル状のものをいいます。
耐震マットの寿命は5年程度
製品にもよりますが耐震マットを安全に使用できると思われる製品の寿命は5年程度です。
100円程度で売られている製品は、更に寿命が短い場合があるので、耐震マットはしっかりした製品を使用してください。
安さ重視で性能の低い商品を選んでしまうと、大きな地震が発生した時に役に立たないかもしれません。
どんな防災グッズにも言えることですが、性能の悪い商品を使用するということは、何も対策していないのと同じどころか、震災対策に安心することによる油断が生じて危険な目に遭うかもしれません。
大切な家族を守るためにも、防災グッズはしっかり使える物を用意し、定期的に製品寿命をチェックするようにしてください。
防災グッズや非常食の寿命をチェックするのは大変なので、購入時に冷蔵庫などに交換時期を明記した紙を貼りつけてください。
耐震マットを無理に剥がすと
耐震マットの剥がし方が悪いと、家具やフローリングを傷めてしまうことがあります。
棚などの家具は軽量化の為に、ハニカム構造で作られていることが多く、耐震マットを剥がす際に薄い板が剥がれて家具を壊してしまうことがあります。

私も、引越しの日にIKEAの本棚に使用した耐震マットが剥がれなくて、無理やり家具を傾けたら破損した経験があります。
耐震マットの張り替えや引越しで家具を移動させなければならない時は、前日までに時間をかけて耐震マットを剥がすようにしてください。
大切な家族を守るためのものですが、フローリングや家具をダメにしてしまう恐れがあるので、そのことを十分に理解した上でご利用ください。
耐震マットの剥がし方
もし、耐震マットが剥がれない場合は、プラスチックのヘラを水に濡らして、家具と耐震マットの間に差し込んでください。
ヘラがない場合は、テレホンカードやフライ返しなど、薄い物なら何でも良いのですが、道具が壊れる恐れがあるので注意してください。
必ず道具を水に濡らすというのがポイントです。
剥がれた耐震マットは、再度床に付かないように、耐震マットと家具の間には紙を挟んでください。
引越しの時は、一度使用した耐震マットの再利用を考えずに、新品を使用するようにしてください。
耐震マットが使える場所
耐震マットを使用する場所と言えば、まずはタンスや本棚など大きな家具ではないでしょうか。
これらの物の置く場所がデコボコしたカーペットや畳の上では威力を発揮してくれません。
また、耐震マットを使用する物の接着面が強化プリント化粧合板場合は、耐震マットが機能しない場合があります。
比較的安い家具は、強化プリント合成板を使用している場合がありますので注意してください。
セロハンテープやビニールテープなどを貼る事ができれば大丈夫だと思いますが、商品の説明書をご覧になられた方が良いでしょう。
小さな耐震マットでは大きな家具を支えることができないので、大きな耐震マットを使用するようにしてください。
小さな花瓶やモニターには小さな耐震マットで構いませんが、貼る場所や枚数が適切でないと効果がありませんので注意してください。
こどものケガや震災のことを考えて
2011年3月11日の東日本大震災を機に防災グッズを買い揃えた方、当時は悲惨な状況でも人は時間が過ぎると、その時の出来事を忘れたり緊張感がなくなります。
非常食と同じように耐震マットなどの防災グッズにも寿命がありますので、この記事をご覧になられた方はこれを機にこれらの物が安全に使用できるか確認してください。
また、小さなこどもは、大画面テレビを揺らしたり家具によじ登る遊びをしますので、耐震マットを使用して家財の転倒防止をおすすめします。
防災グッズは正しく使用しても100パーセント効果を発揮してくれるとは限りませんが、少しの努力で被害を少しでも抑えることができるのなら、防災グッズを積極的に利用してみてはいかがでしょうか。