梅雨から夏にかけて気温と湿度があがると、細菌の繁殖が活発になります。
細菌の繁殖ときいて注意したいのが食中毒。
食中毒自体は1年中起こる症状ですが、梅雨から夏の間は細菌による食中毒が最も増える時期なので、とくに注意が必要です。
食中毒の原因となる細菌の代表的なものは、腸管出血性大腸菌 (O157、O111など)やカンピロバクター、サルモネラ菌など。
これらの細菌に感染すると、腹痛、下痢、吐き気、嘔吐、発熱、倦怠感、頭痛、血便などを引き起こし、こどもや高齢者、免疫力が落ちている人は特に重症化しやすく、腸管出血性大腸菌 (O157、O111など)は合併症を起こして死亡する例もあります。
細菌は目に見えないだけに繁殖しても気づかないのでとても厄介ですが、予防対策をしっかりして食中毒を防ぎましょう。
★予防3原則を守って食中毒を予防しよう
食中毒は細菌が付着した食べ物を摂取し、体内に侵入することで起こります。
しかし、基本的な予防法を守れば食中毒を予防することができます。
▼付けない!
色々なものを触る手には誰でも色々な菌がついています。
調理前、食べる前、残り物を保存する前には必ず手を洗うようにしましょう。
タオルやふきんも清潔なものを使うようにしましょう。
また調理中に生の食品を触った後、こどものおむつを取り替えた後、ペットを触った後なども手を洗い、手についている菌を口にいれるものに付けないように気を付けることが必要です。
またキッチンも清潔にしておくことが必要です。
▼増やさない!
細菌は高温多湿で繁殖が活発になりますが、低温の環境では活動がゆっくりになります。
買ってきた食材は早めに冷蔵庫・冷凍庫に入れるようにしましょう。
また冷蔵庫にいれても活動がゆっくりになるだけなので、食材はなるべく早く食べるようにしましょう。
冷蔵庫の詰めすぎにも注意が必要です。
冷蔵庫に物を詰めすぎると冷蔵庫全体に冷気が回りにくくなるので注意しましょう。
▼やっつける(殺菌する)!
多くの細菌は加熱することで死滅します。
食品はなるべく加熱して食べるようにしましょう。
調理器具にも細菌がつきます。
使う前、使った後は洗剤等できれいに洗い、できれば熱湯をかけて熱殺菌するとベストです。
夏は暑いので生野菜のサラダ等食べたいところですが、温野菜サラダにしたりするとよいのではないでしょうか。
どうしても生で食べたいときは、生肉や生魚などの近くに置かないようにしてください。
また野菜はよく洗いましょう。
★梅雨から夏の時期のお弁当対策
作ってから食べるまでに時間があるお弁当も注意が必要です。
この時期、食中毒を予防するための特に守りたいお弁当作りのポイントを考えたいと思います。
▼お弁当箱と箸・スプーン・フォーク等を殺菌する
おかずを詰めるお弁当箱、食べるときに使うものを清潔にしておく必要があります。
おかずを詰める前にきれいに洗い、熱湯消毒しましょう。
忘れがちですが、ふたのゴムパッキンも汚れが残りやすいです。
外してきれいに洗い、熱湯消毒しましょう。
熱湯消毒したあとは清潔な布巾でふくか、清潔な場所で乾かしましょう。
▼おかずを傷みにくくする作用がある食材を使う
食材の中には抗菌・殺菌作用があり、おかずを傷みにくくする作用があるものがあります。
梅干しや大葉、しょうが、お酢、カレーなどを使ったおかずを入れると良いです。
▼おかずは加熱してしっかり冷ます、素手で触れない
お弁当に入れるおかずは前日に作ったものでも一度加熱してからお弁当箱に詰めましょう。
おかずには素手で触れず、箸などで詰めていきましょう。
水分が多いおかずは傷みやすいので避けたほうが良いですが、入れる場合はキッチンペーパーなどで水分を切ってから詰めたほうが良いです。
詰めたおかずが冷めてから、お弁当のふたをしめましょう。
おにぎりを作るときも素手でにぎらず、ラップで包んでにぎるとよいです。
▼保冷材などで冷やす
高温多湿のときは食材が傷みやすいので、お弁当箱を小さめ保冷剤を一緒にしておくとよいです。
また冷凍食品でそのままお弁当箱につめてOKのおかずもあるので、保冷剤代わりにおかずとしてお弁当につめるのも手です。
▼便利グッズを使う
最近は、抗菌シートや保冷剤と一体になっているお弁当箱など、食中毒防止グッズがいろいろ出ています。
そういうグッズを使うのも良いと思います。
気を付けることで食中毒は予防できます。
「付けない」、「ふやさない」、「やっつける」の予防3原則を守り食中毒を防ぎましょう。
また疑わしい症状が出たときは早めに病院で受診してください。